空き家を放置するのって危険なの?特定空き家指定の流れと管理の基本をご紹介!

空き家問題という言葉をよく聞きますが、実際に空き家はどのようなリスクを持っているのかを知らない方も多いのではないでしょうか。
空き家の問題は、個々の所有者だけでなく、社会全体に影響を与える可能性があります。

そこで今回は、空き家が持つ危険性や空き家の管理の仕方について解説します。

□空き家を放置する危険ってなにがある?

放置された空き家が持つリスクはとても大きく、具体的には以下のようなリスクが存在します。

1.倒壊のおそれ
放置された空き家の多くは、旧耐震基準に基づいて建てられています。
その結果、地震や台風が頻発する現代において、これらの家屋は倒壊の危険性が高まっているのです。
さらに、その倒壊が近隣の家屋や人々に被害を及ぼす可能性もあります。
保険が適用されないケースも多く、所有者は高額な賠償責任を負うことになるでしょう。

2.老朽化の加速
空き家は人の出入りがないため、湿気やカビ、虫の繁殖が進みます。
これが原因で、家屋の老朽化が急速に進行する可能性が高いのです。
修繕費用がかさむだけでなく、最悪の場合、解体が必要になることもあるため、定期的なメンテナンスが不可欠です。

3.犯罪の温床
放置された空き家は、不審者や犯罪者にとって魅力的な場所です。
侵入が容易で人目も少ないため、犯罪の拠点として利用され、その結果、近隣住民とのトラブルや、財産価値の低下につながる可能性があります。

4.財産価値の減少
放置されることで、空き家自体の価値は急速に低下します。
特に、相続で新たに所有者が変わってから時間が経過すると、その価値は一気に落ちることが多いのです。
早めの活用策を考えることが資産を守るために重要です。

5.税金の負担
空き家を所有しているだけで、固定資産税が発生します。
特に、特定空き家に指定された場合、その税金はさらに増加する可能性があります。
税金の負担を考慮に入れ、適切な管理が必要です。

□特定空き家の指定とその後の流れ

特定空き家に指定されると、行政から以下のような手順で改善を要請されます。

1.助言
行政からの最初のステップは「助言」です。
近隣からの苦情や通報があった場合、行政は空き家の所有者に対して、危険な状態を改善するよう助言を行います。
例えば、崩れそうなブロック塀の撤去や屋根瓦の修復などがその対象となります。
この段階ではまだ柔らかい言葉での要請ですが、無視すると次のステップへと進むので注意が必要です。

2.指導
助言に応じなかった場合、次は「指導」が行われます。
この段階では、行政からの要請は一層厳しく、早急な対応が求められます。
近隣住民からの苦情が増えると、この段階に移行する可能性が高くなります。
指導を受けたら、なにをどう改善すればよいのか、市町村の窓口で相談することがおすすめです。

3.勧告
助言や指導に従わなかった場合の次のステップが「勧告」です。
この段階での放置は人命に関わる状況であるため、危険性が高まります。
さらに、勧告が出されると、固定資産税が通常の6倍に跳ね上がることもあります。
この段階での対応が遅れると財産的な負担も大きくなるので、早めの行動が求められるのです。

4.命令
最後の段階は「命令」です。
この命令に従わないと、罰金が科せられるだけでなく、最悪の場合、行政が代わりに建物を壊す「行政代執行」が行われます。
さらに、その費用を支払えない場合は財産が差し押さえられ、公売にかけられる可能性もあります。

このような厳しい結末を迎えないためにも、初めの段階から適切な対応を心掛けましょう。

□空き家管理の5つの基本

空き家を管理するうえで以下の5点を意識しましょう。

1.換気の重要性
換気は、空き家が抱える湿気やカビの問題を解消する最も基本的な手段です。
窓を開けるだけで家の中の空気が新鮮になり、湿気が逃げやすくなります。
特に、長期間人が住んでいない家では、湿気がこもりやすく、それがカビや木材の劣化を引き起こします。
月に一度はしっかりと窓を開け、空気を循環させることが望ましいです。

2.通水の必要性
水回りの管理も非常に重要です。
水道、トイレ、浴室など、水が通る場所は定期的に水を流さないと管が錆びたり、破損したりする可能性があります。
また、放置された水は悪臭の原因にもなり得ます。
さらに、ネズミや害虫が水道管を通じて侵入するケースもあります。

これらを防ぐためにも、定期的に水を流す習慣をつけましょう。

3.清掃の大切さ
人がいないからといって、ホコリや汚れがたまらないわけではありません。
特に、床や窓辺、棚などはホコリが溜まりやすい場所です。
これらの場所にホコリや汚れが溜まると、それが湿気と結びつき、カビの発生を促進します。
清掃することで、これらの問題を未然に防げるでしょう。

4.ゴミ拾い
庭やベランダにゴミが落ちていると、それが害虫や害獣を引き寄せる可能性があります。
また、ゴミが散乱していると、外観も美しくありません。
定期的にゴミ拾いを行い、外観を美しく保つことで、これらのリスクを避けられますよ。

5.雨漏りの確認
特に古い物件では、屋根や壁からの雨漏りが起こる可能性が高いです。
雨漏りがあると、それが内部の湿気やカビ、さらには木材の劣化を加速させます。
雨漏りの兆候としては、壁にしみができたりカビが発生したりします。
これらのサインに気づいたら、すぐに修理を行いましょう。

□まとめ

空き家が抱えるリスクは多岐にわたります。
しかし、これらの問題は、適切な管理と対策によって大幅に減らせるのです。
特に、定期的な換気や通水、清掃などの基本的な手段が多くのリスクを未然に防ぐ鍵となります。

この記事を参考に空き家の適切な管理を行い、その価値を維持し、社会全体の安全に貢献しましょう。

監修者情報

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アーバンネットワーク株式会社
松本 幸治

代表挨拶