任意売却とは?住宅ローンの返済が難しくなった際に知っておくべきこととは?

住宅ローンを組んだものの、返済が難しくなってどう対処すれば良いかわからない。
このような事態に陥った際、一つの解決手段となりうることが任意売却です。
今回は、任意売却に関して、その基礎知識や期限、注意点などについて解説します。
住宅ローンの返済にお困りの方は必見です。

□任意売却とは?

任意売却とは、住宅ローンを借り入れている金融機関との合意のもと、一般市場で不動産売却を行うことです。

本来は、住宅ローンを完済するまではローンで購入した不動産は売却できないことになっています。
その理由として、抵当権を解除できていないことが挙げられます。
抵当権とは、ローンを貸し出した金融機関などが不動産を担保とする権利を指します。

しかし、金融機関と任意売却を合意すると、抵当権を制限はありますが解除してもらえ、売却活動が可能になります。

つまり、任意売却を行う際は、住宅ローンの借入先との合意が必須ということになります。

*任意売却の流れ

任意売却は以下の4ステップで行われます。

・住宅ローンを借り入れている金融機関に相談し、任意売却の合意を得る
・売却を行う不動産会社に価格査定を依頼する
・査定価格を金融機関に伝え、改めて合意を得る
・合意を得た場合、売却活動がスタート

*競売との違いは何?

任意売却とよく混同される言葉に競売があります。
競売とは、住宅ローンの貸出先が不動産を差し押さえ、強制的に不動産を売却することです。
任意売却との大きな違いは、不動産の所有者の意思が反映されるかされないかであり、イメージとしては競売の方が避けたいものとなっています。

競売が起こるまでの流れとしては、以下の通りになっています。

まず、住宅ローンを3か月から6か月滞納すると金融機関から一括返済の勧告が届きます。
次に、一括返済を行わない場合は、抵当権を有した金融機関が不動産を差し押さえ、強制的に売却されます。
最後に、競売によって生まれた利益は全て金融機関のものとなります。

この際、売却価格は任意売却を行う際よりも低くなる傾向があるため、さまざまな他の観点も併せて、競売に行き着く前に任意売却で済ませる方が得策であると言えるでしょう。

□任意売却は住宅ローン滞納がいつまで続くと行えなくなるのか?

結論から言うと、任意売却ができる期限はおおよそ滞納が開始してから4か月程度です。
滞納が始まってから4か月から5か月経ってしまうと、先ほどご紹介した競売が行われ、強制的に不動産が差し押さえられてしまいます。

従って、任意売却を行う場合は、できるだけ早めがベストであると言えます。
また、住宅ローンを滞納する前と滞納が始まってしまった後の期間の金融機関からのアクションを簡単にご紹介します。

住宅ローンを滞納して3か月までは、金融機関より督促状や一括弁済通知書が届きます。
このタイミングでは、まだ任意売却は可能です。

住宅ローンを滞納して4か月経つと、競売の開催通知書が金融機関より届きます。
このタイミングでの任意売却はまだ可能です。

住宅ローンを滞納して5か月が経つと、ついに競売が決定し、裁判所の執行官が自宅へとやってきます。
このタイミングでの任意売却は、場合によっては可能です。

6か月以降となると、競売にかけられた不動産が落札され始め、任意売却は不可能となります。
住宅ローンの返済が滞った際は、できるだけ早くアクションを起こすことをおすすめします。

□任意売却で気をつけるべきこととは?

任意売却の注意点としては、以下の4点が挙げられます。

1つ目は、住宅ローンは残ることです。
任意売却によって不動産が売却できた場合でも、ローンの残高に売り上げが満たない場合、残った金額はローンとして残り続けます。

しかし、残ったローンは分割返済等が可能なので、返済しやすくなります。

2つ目は売却できるかどうかはわからないことです。
任意売却を行ったからといって、その不動産が売れるかどうかはわかりません。
売れなかった場合は最悪競売になることを覚えておきましょう。

3つ目は連帯保証人に連絡と請求があることです。
任意売却を行う際は、連帯保証人に通知、並びに請求がいきます。
最悪の場合、連帯保証人の資産が差し押さえられることになるため、必ず連帯保証人と相談した上で、任意売却をするかどうかを決定しましょう。

4つ目は金融機関が認めない場合があることです。
金融機関が任意売却を認めない場合も考えられます。
認めない原因としては、先ほど解説した滞納期間が長くなっている場合などに、金融機関からの信頼を失って認められないことなどが挙げられます。

従って、任意売却を決めた際、並びに日頃から金融機関との関わり方は丁寧に行っておきましょう。

□まとめ

今回は、任意売却に関して、その基礎知識や期限、注意点などについて解説しました。
任意売却をしようと決めた際は、できるだけ早くからアクションを起こし、また合意を得るために金融機関とのやり取りはしっかりと行いましょう。
また、任意売却と競売の違い、注意点をしっかりと把握しておきましょう。

監修者情報

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アーバンネットワーク株式会社
松本 幸治

代表挨拶