不動産の相続登記での必要書類をケース別に解説します!

「相続登記に必要な書類には何があるのか」
「相続登記はどのような流れで行われるのか」
このように、相続登記について疑問をお持ちの方は多いでしょう。
この記事では相続登記での必要書類と流れを解説します。

 

□相続登記での必要書類をご紹介!

相続登記では、どのような書類が必要になるのでしょうか。
用意する必要がある書類は以下の通りです。

・相続人全員の戸籍謄本
・被相続人出生から死亡までの戸籍謄本
・被相続人の住民票の除票
・不動産取得者の住民票
・相続する不動産の固定資産評価証明書
・収入印紙
・登記申請書
・返信用封筒

相続には3つのケースがあります。
それは「遺産分割協議による相続」「法定相続人による相続」「遺言による相続」です。
それぞれで必要な書類を詳しく解説していきます。

まずは、遺産分割協議による相続です。
遺産分割協議とは、相続人が集まってどのようにして遺産を分割するのかを話し合うことです。
全員が合意しないと相続登記できないため、しっかりと話し合いましょう。

遺産分割協議がまとまると、遺産分割協議書を作成して、相続人全員が署名し、実印を押します。
このケースでは先ほどご紹介した書類の他に、遺産分割協議書とそれぞれの印鑑証明書が必要です。
遺産分割協議書はご自身で作成いただき、印鑑証明書は市町村役場で発行できます。

次は、法定相続人による相続です。
法定相続分とは、民法上で定められた相続人の取り分の割合のことです。
この割合に沿って相続を行った場合、先ほどご紹介した書類だけで十分です。
追加で必要な書類はありません。

最後は、遺言による相続です。
被相続人の遺言によって法定相続人が不動産を得た場合、先ほどの書類に加えて遺言書が必要になります。
遺言書には、自筆証書遺言と公正証書遺言、秘密証書遺言の3つがあります。

自筆証書遺言と秘密証書遺言は、家庭裁判所の検認手続きが必要です。
これは遺言書が本物なのかを調べる手続きです。
一方で公正証書遺言はこの必要がありません。

 

□相続登記の流れを解説します!

相続登記で必要になる書類を把握できたでしょうか。
ここからは相続登記の流れを解説します。

 

*相続人の間で土地の分割方法を協議する

不動産を相続するには、不動産の名義を被相続人から相続人に移す必要があります。
そのためにまずは、相続人同士で話し合って、誰の名義に変更するのかを決定しましょう。
遺産分割協議書を作成して、全員で署名・捺印します。

 

*相続登記の準備をする

もし相続財産に不動産が含まれている場合は、相続登記する必要があります。
先ほどご紹介した書類を用意して、相続登記の準備を始めましょう。
必要書類を全て揃えるのに時間がかかりますから、早めの段階から準備を始めることをおすすめします。

 

*集めた書類を法務局に提出する

最後に、集めた書類を記入して法務局に提出します。
このタイミングで登録免許税を法務局に納付しましょう。
法務局に書類を提出してから1週間から2週間で不動産の新しい権利証が発行されます。

これが発行されたら、相続登記は完了です。
ここまででわかっていただけたように、相続登記は時間がかかりますし、流れも複雑です。
時間に余裕がない方、問題なく進められるか不安な方は司法書士に依頼してみると良いでしょう。

 

□相続した土地はどのようにして分ける?

先ほど遺産分割協議によって相続した土地の分け方を話し合うと申し上げましたが、具体的にどのようにして分けるのでしょうか。
ここでは遺産を分割する方法である「現物分割」「換価分割」「代償分割」「共有分割」について詳しく解説します。

まずは、現物分割です。
例えば、土地のような不動産を兄に、預金のような現金は姉に分けるというやり方が現物分割です。
分割の仕方が非常にシンプルでわかりやすい点が特徴です。
しかしながら、分割の仕方に不公平感を感じる方が多いことがデメリットです。

次は、換価分割です。
これは遺産を売却して現金にしたのち、トータルの現金を相続分に応じて分割する方法です。
もし相続する財産が不動産だけであれば、それを売却してからその売却益を相続人同士で分割することになります。

これは先ほどの現物分割とは違って、売却できる財産であれば公平に相続できるでしょう。
しかし、売却時に譲渡所得税などの税金が発生するため、注意が必要です。

次は、代償分割です。
これは1人の相続人が全ての遺産を分割する代わりに他の相続人に対して、相続分に応じた金額を支払う分割方式です。
分割のしにくい財産であっても分割ができる点が魅力的な一方で、支払いをする側に代償金額を支払うだけの資金力が必要になります。

最後は、共有分割です。
これは遺産を相続人全員で共有する方式です。
不公平感をなくせることが最大の特徴だと言えるでしょう。

 

□まとめ

相続登記に必要な書類や流れ、遺産の分割方式について解説しました。
この記事を参考に、相続登記をスムーズに進めてくださいね。

監修者情報

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アーバンネットワーク株式会社
松本 幸治

代表挨拶