空き家における放火のリスクとは?年間の放火件数と放火対策を紹介します!

現在、少子高齢化に伴い、使わなくなった住宅が空き家になったまま放棄される事態が多発しています。
そして、それに伴い空き家への放火件数も増加しており、大きな社会問題の1つとなっています。
今回は、空き家の放火件数や放火のリスク、予防方法などについて紹介します。

□空き家の放火件数とは?放火された空き家の共通点を紹介します!

現在、日本では年間4万件を超える出火が発生しています。
意外かもしれませんが、原因として最も多いのが放火で、その件数は5000以上と、出火を防ぐためには放火対策は極めて重要だと言えます。
さらに放火の嫌疑がかけられているものも合算すると、その件数は8000以上と、出火件数全体の20%弱を占めています。
中でも人がいない空き家はその対象となり易く、近年の空き家の増加に伴い、その問題はより大きくなっています。

空き家の中でも特に放火の対象とされやすいものの特徴としては、人の気配がほとんどないことが挙げられます。
具体的には、郵便受けに新聞や広告などが溜まったまま放置されていたり、庭の手入れがされておらず雑草でうっそうとしていたりといった条件が揃っていると、人が暮らしていないと判断されてしまうケースがあります。
また、近くに可燃性のごみや落ち葉などが放置されている空き家も放火の被害に遭いやすいと言えます。

「人口が少ない地方では空き家が多い印象があり、その分放火件数も多いのではないか」と考えている方もいらっしゃいますが、実際には放火件数は人口が多い都会で多い傾向にあります。
関東や関西などの都市圏に空き家を抱えている方は、放火対策に入念に力を入れるように意識しましょう。

□もし自分の空き家が放火されたらどうなる?考えられるリスクを紹介します!

所有している空き家が放火されるということは、自分の大切な資産が失われることに直結します。
しかし、自身の資産を失うこと以外にも複数のリスクが考えられます。

まず考えられるリスクが、周囲の住宅に火の手が燃え広がってしまうリスクです。
都会の住宅街や下町などといった、近くに住宅がある環境では、1件の火災が大規模な延焼に繋がることがあります。
自分の財産を失うだけでなく周囲の住民への賠償金も支払わなければならず、その金額は1千万円以上になってしまう場合もあります。

また、火災が発生した後の処理にも多大な費用がかかってしまいます。
空き家の大半は耐久性に難を抱えており、一度放火されると再建することは困難です。
そのまま放置しておけば、倒壊によって空き家の建材が周囲の住宅に損傷を与えてしまう恐れがあるので、撤去工事が必要になるでしょう。
費用は数10万円規模になるので、ただでさえ放火によってショックを受けている被害者の負担を、さらに大きくしてしまいます。

空き家が無くなり土地だけになってしまうと、固定資産税が元の6倍に跳ね上がってしまうことも忘れてはいけません。
固定資産税は住宅用の土地であれば課税額が1/6に軽減されますが、放火により建物が無くなってしまうとその制度の対象から除外されてしまいます。
周囲の住民への賠償金、燃えてしまった空き家の撤去費用などによって懐に大きなダメージを受けている状態では、維持費の増加は深刻な問題になってしまいます。

□空き家への放火を予防する方法をご紹介!

基本的には、利用していない空き家は売却するか賃貸に出す、もしくは解体してしまうのがおすすめです。
しかし、金銭的な面や法律的な面などから今すぐに実行に移せない場合は、次のような対策を講じましょう。

まずは、人がいる雰囲気を出すために空き家の外に照明を設置したり、庭の手入れを徹底したりすることです。
人がいると感じさせるだけでも、放火の対象から外れやすくなります。
郵便受けの新聞や広告をため込まないように気をつけたり、定期的に建物の外観をチェンジしたりと、生活感を出すような工夫を心がけましょう。

落ち葉や灯油タンク、新聞紙や紙パックなどといった可燃性のものを置かないことも大切です。
火元がないところでは火災は発生しませんから、放火しようとしている人が簡単に火災を起こせないような環境を維持しておくことは効果的です。

上記のような対策を講じても、放火されてしまう可能性もあります。
できるだけ早く放火の前兆を察知したり、放火された時の被害を最小限にしたりするためには、近所の方との関係を密にとり、何らかのトラブルが発生したら即座にその内容を伝えてもらえるようにしておくことが大切です。

また、自分自身でも空き家の見回りを意識的に行うことも忘れないようにしましょう。
決まった周期で見回りをすると、放火しようとしている人に所有者が来ない時間帯を狙われてしまうので、可能であれば短い周期でランダムなタイミングに行うことがポイントです。
所有者がいつ来てもおかしくない状況は、放火しようとしている人にとっては大きなプレッシャーになるので、犯行を思いとどませられる確率が高まります。

□まとめ

年間の出火件数の内、その20%程度が放火に関連するものとなっています。
特に、放火される可能性が高い空き家に関しては、人の気配を感じさせる工夫やランダムなタイミングでの見回りなどを行うと予防効果を期待できるでしょう。
空き家の処理方法にお困りの方は、ぜひ当社にご相談ください。

監修者情報

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アーバンネットワーク株式会社
松本 幸治

代表挨拶