土地を親子間で譲渡する場合の注意点とは?

「土地を子どもに譲るか、売却してしまうかで迷っている」
「土地を譲渡する際に気をつけておくべきことを知りたい」
このように思っている方は多いでしょう。
そこでこの記事では、土地を子どもに譲渡するのか、売却するのかどっちの方が良いのかを解説します。

 

□土地を子どもに譲渡するか売却するかどっちが良い?

土地をどのように取り扱うのかというのは難しい問題ですよね。
ここでは子どもに譲渡するか、売却するかを金銭的な観点からケースに分けて解説します。

 

*子どもに譲渡する場合

土地を子どもに譲るとなると、贈与税がかかります。
一般的な贈与の場合、税金がかからない基礎控除額は110万円です。
一方で相続の場合の基礎控除額は、法定相続人の数に600万円をかけ、そこに3000万円を足すことによって求められます。
つまり、相続税よりも贈与税の方が高くなるということですね。

しかし、子どもが成人していて、かつ親の年齢が60歳以上であれば、「相続時精算課税制度」が利用できます。
これは2500万円まで贈与税を納めずに贈与できるという制度です。
それ以上になった場合は、一律20パーセントの贈与税が課されます。

贈与をしてから親が亡くなると、譲った土地は相続財産として相続税を計算し、すでに納められている贈与税分が相続税から除かれます。
つまり、税金を支払う時期が相続時まで延ばされる制度です。
税金を払わなくて良くなるわけではないので注意してくださいね。

なお、子どもに土地を譲渡する場合は、登録免許税と不動産取得税を払う必要があることを知っておいてくださいね。

 

*売却する場合

一方で売却する場合はどうでしょうか。
売却して利益を得た場合は、所得税を納める必要があります。
子どもに譲渡する場合と異なった税金が必要だということですね。
しかし、その土地を購入した価格よりも安い価格で売れた場合は税金は不要です。

もし土地を売らずにそのまま持っていた場合は、問題が起こる危険性があります。
それは相続問題です。
親が亡くなった際、兄弟で共同で土地を所有していた場合、分割するのは難しいですよね。
遺産分割協議でトラブルに発展する可能性があるので、売却して現金化すると良いでしょう。

ここまで2つのケースに分けて解説してきましたが、どちらの方が税金が高くなるのか、わからないですよね。
そのような時は不動産会社に査定依頼すると良いです。
当社でも査定を行っておりますので、ぜひご相談ください。

 

□親族間売買について解説します!

先ほどの前半のケースで親子間での不動産のやりとりについて解説しましたが、税金の取り扱いには特に注意しなければなりません。
なぜなら、贈与と売買で納める税金の額が変わってくるからです。
ここでは親族間売買について解説します。

親族間売買とは、親と子の間で不動産を売買することです。
この場合、買主と売主で価格を自由に決められるため、相場よりずっと安い価格で取引できます。
これによって支払う税金の額を抑えられるのです。

しかし、注意点があります。
それは親族の範囲です。
どこからどこまでが親族なのかをしっかり把握していないと、親族間売買として扱われない可能性があります。

民法では、親族は6親等以内の血族、配偶者、3親等以内の姻族だと決められています。
ただ、税務署が考えている親族の範囲はここにとどまるわけではありません。
最も重視されるのは、相続税や贈与税逃れのための不動産売買ではないかということです。

 

□土地を譲渡する際の注意点とは?

次に土地を譲渡する際の注意点をいくつかご紹介します。

1つ目は、みなし贈与です。
先ほど、買主と売主で価格を自由に決められるため、相場よりずっと安い価格で取引できると申し上げましたが、あまりにも安い価格で譲渡すると、みなし贈与に認定されます。

例えば、実質2000万円の土地を100万円で譲渡したとすると、実際の価値よりも安すぎる価格で取引しているとみなされて、差額の1900万円に対して贈与税が課されてしまうのです。

2つ目は、親子への譲渡では、3000万円控除が適用されないことです。
3000万円控除を簡単に説明すると、譲渡した際にかかる税金を抑えるための制度です。
しかし、親族間で不動産の取引をする場合はこの制度が利用できません。
他にも、10年超所有軽減税率の特例も受けられませんので注意してくださいね。

3つ目は、親族間売買ではローンが通りにくいことです。
そのため、多くの方は分割払いを利用します。
分割払いを利用する場合は、支払い方法を売買契約書に記載する必要があるので、ぜひ覚えておいてくださいね。

 

□まとめ

土地の取り扱いについて、親子間で譲渡するのか、売却するのかの2つのケースに分けて解説しました。
それぞれのケースで必要になる税金の額を知るには、不動産会社に問い合わせてみてくださいね。
当社では、不動産売買のサポートをしておりますので、お悩みの方はぜひご連絡ください。

監修者情報

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アーバンネットワーク株式会社
松本 幸治

代表挨拶