空き家相続の税金について!放置すると損する?
空き家相続は、誰もが直面する可能性のある課題です。
大切な故人の残した財産である空き家は、放置すればするほど様々なリスクが潜んでいます。
特に、相続税の負担や近隣トラブル、資産価値の低下など、深刻な問題に発展する可能性も。
しかし、適切な対策を講じることで、これらのリスクを回避し、空き家を有効活用することも可能です。
この記事では、空き家相続に関する税金対策、放置することによるリスク、そして賢く活用する方法を解説していきます。
□空き家相続での税金はどうなる?
相続した空き家の税金対策は、放置すると損をしてしまう可能性も秘めているため、しっかりと理解しておくことが重要です。
特に、空き家は誰も住んでいない状態か、被相続人と同居または今後も居住用として利用していくかで大きく税金が変わってきます。
1: 誰も住んでいない空き家の場合
誰も住んでいない空き家は、残念ながら「小規模宅地等の特例」が適用されないため、相続税評価額のすべてが課税対象となります。
この特例は、亡くなった方の自宅を相続する場合に適用されるもので、相続する土地のうち330㎡までなら相続税評価額の80%が減額対象となるため、大幅な節税効果が期待できます。
しかし、誰も住んでいない空き家は、この特例が使えないため、全額課税されてしまうのです。
2: 被相続人と同居または今後も居住用として利用する場合
一方、被相続人と同居していた場合、または今後も居住用として利用していく場合は、「小規模宅地等の特例」が適用される可能性が高く、税額を大幅に減額できる場合があります。
具体的には、同居親族がおり、自宅として活用していれば、特例が適用される可能性があります。
しかし、親の介護が必要だから一定期間だけ同居するケースや、親族が住んでいるものの、別居状態になっている場合は、特例が適用されない可能性があるため注意が必要です。
3: 特例適用には条件がある
小規模宅地等の特例は、適用されるための条件が細かく、複雑です。
そのため、相続税申告前に税理士などに相談し、適切な手続きをとることが重要となります。
□空き家を資産として活用する方法
空き家は放置しておけば、資産価値が下がる一方です。
しかし、適切な活用方法を見つけることで、貴重な資産に変えることも可能です。
売却、賃貸、自身での居住など、様々な方法があります。
1: 売却する
空き家に資産価値がある場合は、売却を検討してみましょう。
売却することで、まとまった資金を得られ、相続税対策にも役立ちます。
2: 賃貸する
賃貸に出すことで、安定した収入を得られます。
しかし、賃貸にする場合は、初期費用やリフォーム費用、管理費用などが発生します。
また、賃貸物件としての管理責任も発生するため、注意が必要です。
3: 自身で居住する
空き家を自身で居住用として利用することも有効な選択肢です。
相続した空き家の所在地によっては、売却や賃貸が難しい場合もあるため、自身で住むことで、所有を続けながら、特定空家に指定されるリスクを回避できる可能性もあります。
4: 寄付する
空き家を国や地方公共団体、特定の公益法人などに寄付することも可能です。
寄付することで、相続税の非課税財産に該当し、税金対策に役立ちます。
ただし、寄付には様々な条件があるため、事前に詳しく確認が必要です。
□空き家を放置することによる5つのリスク
空き家を放置すると、様々なリスクが伴います。
近隣トラブル、管理費負担、資産価値の下落、固定資産税の負担増加、特定空家に指定されるリスクなど、放置すればするほど問題が深刻化する可能性があります。
1: 近隣トラブルの原因になる
空き家は、放置すると近隣住民とのトラブルに発展する可能性があります。
ゴミの不法投棄や、害虫・害獣の発生、倒壊による被害など、様々なトラブルが起こりえます。
2: 管理やメンテナンス等の手間や維持費がかかる
空き家は、所有者が管理・メンテナンスをする義務があります。
しかし、遠方に住んでいる場合や、高齢で管理が困難な場合は、管理費用がかかってしまう可能性があります。
3: 放置すればするほど建物の資産価値が落ちる
空き家を放置すると、建物の劣化が進み、資産価値が下落していきます。
築年数が経過するにつれて、売却価格も下がってしまいます。
4: 固定資産税・都市計画税を継続的に支払う必要がある
空き家を所有している限り、固定資産税・都市計画税を毎年支払う必要があります。
特定空家に指定されると、これらの税金が大幅に増額される可能性もあるため、注意が必要です。
5: 特定空家に指定されるリスク
特定空家に指定されると、固定資産税が最大6倍に跳ね上がることがあります。
特定空家は、倒壊の危険性や衛生上の問題、景観の悪化など、放置することで社会問題となる可能性のある空き家を指します。
□まとめ
空き家相続は、税金対策や有効活用方法、放置することによるリスクなど、様々な課題を抱えています。
この記事では、これらの課題について解説し、空き家相続に対する不安を解消するための具体的な対策を紹介しました。
相続を控えている方や、すでに相続した方は、この記事で紹介した情報を参考に、早めに対策を検討することをおすすめします。
監修者情報
アーバンネットワーク株式会社
松本 幸治