空き家の相続はデメリットが多い?知っておきたい確認事項と対処法
空き家を相続することになったものの、どのように対処すれば良いか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。相続手続きや税金について詳しくない人にとって、空き家相続は不安の多い問題です。
このブログでは、空き家相続に潜む問題点と、具体的な対策方法、そして相続前に確認すべきポイントを分かりやすく解説していきます。
この記事を読めば、あなたも安心して空き家相続の手続きを進められるようになるでしょう。
□空き家相続デメリット
誰も住む予定がなく使い道のない空き家を相続してしまった場合、どのような問題が発生するのか整理していきましょう。
発生するリスクが高い問題は、以下の6つです。
1: 定期的なメンテナンス等の維持費がかかる
空き家は、人が住んでいないため、時間の経過と共に劣化していきます。
屋根や外壁の塗装、水回りの修理など、定期的なメンテナンスは欠かせません。
放置しておくと、修理費用が膨大になる可能性もあります。
2: 今までの火災保険には加入できなくなる
空き家であっても、火災や盗難などのリスクは依然として存在します。
しかし、人が住んでいたときの火災保険をそのまま引き継ぐことはできません。
空き家用の火災保険に加入する必要があり、場合によっては保険料が高くなる可能性もあります。
3: 行政代執行により取り壊し費用が請求される場合がある
空き家を放置しておくと、近隣住民への迷惑行為や景観の悪化につながる可能性があります。
そのような場合、行政から空き家の撤去を命じられることがあります。
行政代執行が行われた場合は、取り壊し費用を請求される可能性もあるため注意が必要です。
4: 固定資産税が6倍になってしまう可能性がある
空き家を放置していると、特定空き家や管理不全空き家に指定される可能性があります。
特定空き家や管理不全空き家になると、固定資産税の軽減措置が適用されなくなり、固定資産税が大幅に高くなる可能性があります。
5: 人口減少により将来的に売却や活用が難しくなる恐れがある
人口減少が進む中で、空き家の売却や活用はますます困難になっています。
将来的に売却しようとしても、買い手が見つからない可能性もあります。
6: 空き家にも相続税がかかる
空き家は、通常の土地や建物と同様に、相続税の対象となります。
空き家を相続した場合は、相続税を支払う必要があることを覚えておきましょう。
□空き家相続対処法
では、空き家を相続したときはどのように対処するのが適切なのでしょうか。対処法として次の6つの方法を紹介します。
1: 相続から3年以内に売却する
相続した空き家を売却する場合、相続開始から3年以内に売却することで、譲渡所得税の計算時に「空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」が適用できる可能性があります。
この特例は、空き家を売却した際に得られる利益から3,000万円を差し引くことができるため、税金の負担を軽減することができます。
2: 賃貸物件として貸し出す
空き家を賃貸物件として貸し出すのも有効な方法です。
毎月家賃収入を得ることができるため、維持費を賄うことができます。
ただし、賃貸物件にするためには、リフォームやハウスクリーニングなどの初期費用がかかります。
また、入居者募集やトラブル対応など、管理の手間も発生します。
3: 自分で住む
空き家を自分で住むことも可能です。
特定空き家に指定されるのを回避することができます。
しかし、空き家は老朽化している場合が多く、リフォーム費用が大きくかかる可能性があります。
また、空き家周辺の環境や利便性を考慮する必要があるでしょう。
4: 解体して土地を活用する
空き家を解体して土地を活用するのも一つの選択肢です。
土地を売却したり、駐車場やアパートなどを建設したりできます。
ただし、解体費用は高額になるため、事前に費用を調べておく必要があります。
5: 寄付をする
空き家を、個人、法人、自治体などに寄付することも可能です。
寄付することで、空き家の維持費や固定資産税の負担から解放されます。
ただし、寄付する場合は、贈与税が発生する可能性があるため、事前に税理士に相談することをおすすめします。
6: 相続放棄をする
相続開始前に、空き家を相続したくない場合は、相続放棄をすることも可能です。
相続放棄をすることで、空き家にかかる費用をすべて放棄することができます。
ただし、相続放棄は、すべての財産を放棄することになります。
空き家以外にも財産がある場合は、相続放棄をする前に慎重に検討する必要があるでしょう。
□空き家相続前に確認すべきこと
実際に空き家を相続する前に、次のポイントを確認してから判断しましょう。
1: 誰が相続するのか
空き家を誰が相続するかによって、今後の管理方法や活用方法が変わってきます。
相続人全員で話し合い、誰が相続するのが最適なのか、どのように管理していくのか、明確に決めておくことが重要です。
2: どれくらいの費用がかかるのか
空き家を相続すると、固定資産税や都市計画税などの税金、メンテナンス費用、管理費用など、様々な費用が発生します。
相続前にこれらの費用をしっかりと見積もり、どれくらいの費用がかかるのかを把握しておく必要があります。
3: 空き家以外にどんな財産・負債があるか
空き家だけでなく、預金や株式などの財産、住宅ローンなどの負債も相続対象となります。
空き家以外の財産や負債を把握し、相続全体の状況を理解した上で、空き家の相続について判断する必要があります。
4: 資産価値や需要があるか
空き家の資産価値や需要を把握することは、相続後の売却や活用を考える上で重要です。
資産価値が高い空き家は、売却することでまとまった資金を得ることができます。
しかし、資産価値が低い空き家は、売却が難しく、維持費の負担が大きくなる可能性があります。
5: 優遇措置を活用できるか
空き家の相続には、税金を軽減できる優遇措置がいくつかあります。
例えば、「空き家の譲渡所得3,000万円特別控除」や「小規模宅地等の特例」などです。
これらの優遇措置を活用することで、税金の負担を軽減することができます。
相続前にこれらの優遇措置について、税理士に相談することをおすすめします。
□まとめ
空き家相続は、様々な問題や課題を抱えています。
しかし、事前にしっかりと準備しておけば、安心して相続手続きを進めることができます。
この記事で解説した6つの問題点、6つの対処法、そして5つの確認ポイントを参考に、相続に関する情報を集め、適切な対策を検討してください。
相続は人生における大きなイベントです。
専門家のアドバイスを積極的に活用し、家族で話し合って、最善の決断を下せるよう、準備を進めていきましょう。
監修者情報
アーバンネットワーク株式会社
松本 幸治