不動産相続は遺言でスムーズに!手続きの流れと注意点
不動産相続、特に遺言書がある場合の相続登記は、手続きや注意点が多く、複雑に感じる方も多いのではないでしょうか。
「遺言書があるなら、相続登記は簡単そう」と思っていませんか。
実は、遺言書があっても、相続登記には、いくつかの注意点や必要な手続きがあります。
この記事では、遺言書がある場合の不動産相続登記の手順、注意点、そしてスムーズに手続きを進めるためのポイントを詳しく解説していきます。
不動産相続をスムーズに進めたいと考えている方のために、分かりやすく解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
□遺言書がある場合の不動産相続登記の手順
遺言書がある場合の不動産相続登記は、遺言書の内容に基づいて手続きを進めることになります。
具体的な手順は以下の通りです。
1: 遺言書の内容を確認する
まず、遺言書の内容をよく確認し、不動産の相続に関する記述を理解することが重要です。
遺言書には、相続人に誰が指定されているのか、不動産をどのように相続させるのか、などの情報が記載されています。
遺言書の内容を正確に把握することで、スムーズな手続きを進めることができます。
2: 遺言書の種類を確認する
遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言など、いくつかの種類があります。
遺言書の種類によって、相続登記に必要な書類や手続きが異なります。
・自筆証書遺言の場合:遺言書原本に加えて、家庭裁判所の検認済証明書が必要になります。
・公正証書遺言の場合:公正証書遺言の正本または謄本が必要です。
3: 必要書類を準備する
遺言書の種類によって必要な書類が異なりますが、一般的に必要な書類は以下の通りです。
・遺言書
・被相続人の除籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・不動産登記簿謄本
・登記申請書
4: 法務局に申請する
遺言書や必要書類の準備ができたら、これらの記載内容をもとに登記申請書を作成しましょう。
所定の登録免許税額に相当する収入印紙とともに、登記申請書と必要書類を管轄の法務局に登記申請を行います。
5: 登記識別情報通知書の交付
申請が受理されると、法務局から登記識別情報通知書が交付されます。
登記識別情報通知書は、登記が完了したことを証明する重要な書類です。
大切に保管しておきましょう。
□遺言書と遺産分割協議の関係
遺言書がある場合でも、遺産分割協議が必要となるケースがあります。
1: 遺言書の内容に納得できない場合
遺言書は故人の最後の意思ですので、その意思を尊重するのが望ましいです。
しかし、その内容に納得できないこともあるでしょう。
遺言書の内容に納得できない相続人がいる場合は、遺産分割協議を行うことで、遺言書と異なる内容で不動産を相続することができます。
ただし、遺産分割協議を行うには、全相続人の合意が必要です。
遺言執行者がいれば遺言執行者の同意も必要です。
2: 遺言書がない場合
遺言書がない場合は、遺産分割協議を行い、相続人全員で遺産の分け方を決める必要があります。
遺産分割協議で不動産の相続人が決まれば、その相続人が相続登記を申請します。
3: 後から遺言書が見つかった場合
遺産分割協議後に遺言書が見つかった、というケースも考えられます。
遺産分割協議後に遺言書が見つかった場合は、原則として遺言書の内容に基づいて財産を配分します。
□遺言書がある場合の相続登記の注意点
遺言書がある場合の相続登記は、スムーズに進めるためにいくつかの注意すべき点があります。
1: 遺言書がある場合、相続登記の手続きに戸籍謄本等の一部書類が不要になる
相続による名義変更の際には、通常亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍などが必要です。
これは誰が相続する権利を持っているか(法定相続人か)を確認、証明するためです。
相続人が確定したら相続人で話し合い、誰が相続するか通常は決めますが、遺言書がある場合は既に相続する人が決まってますので、相続人を証明することも不要です。
2: 遺言執行者の存在
遺言書に遺言執行者が指定されている場合は、遺言執行者の指示に従って手続きを進める必要があります。
遺言執行者は、遺言書の内容を実行する責任を負います。
3: 法定相続人の協力
遺言書の内容によっては、法定相続人の協力が必要になる場合があります。
例えば、法定相続人以外が新しい名義人となる場合や、遺贈がある場合などです。
4: 必要な書類を揃える
遺言書の種類によって必要な書類が異なります。
事前に法務局に問い合わせて、必要な書類を揃えておくようにしましょう。
5: 手数料や税金
相続登記には、登録免許税などの手数料や、相続税などの税金がかかります。
事前に費用を把握しておきましょう。
□まとめ
遺言書がある場合の不動産相続登記は、通常の相続登記とは異なる手続きや注意点があります。
遺言書の内容をよく確認し、必要な書類を揃え、法務局に申請することで、スムーズに手続きを進めることができます。
相続登記は、複雑で時間がかかる手続きです。
不安な点があれば、専門家である司法書士や弁護士に相談することをお勧めします。
監修者情報
アーバンネットワーク株式会社
松本 幸治