実家を相続したら?名義変更手続きの流れやかかる税金をご紹介します!

両親が亡くなった場合、空き家になる実家のその後について考えたことはありますか。
実際にそうなってから考えるのは大変なことも多いため、どのような活用方法があるのかをあらかじめ知っておくことが重要です。
また、生前贈与で実家を名義変更しようと考えている方もいらっしゃるでしょう。
 
そこで今回は、実家を相続した場合の選択肢や生前贈与で実家の名義変更をする場合についてご紹介します。
 

□実家を相続した場合はどうする

 
両親が亡くなったからといって、必ずしも実家を相続する必要はありません。
状況によってどのような選択をする方が良いのかは変わってくるので、ぜひ参考にしてください。
 

1. 実家を相続してそこに住む

相続した実家にそのまま自分や家族や親族などが住めば、実家の処理方法に悩まされることもなく、空き家状態になってしまうこともないため、不法侵入や不法投棄といったリスクもなくなります。
実家の立地が良かったり、相続人の中で住みたい人がいる場合は、実家をそのまま残すことを検討してみても良いでしょう。
 
一方で、相続人の中の1人が実家に住む場合には、他の相続人との遺産分割方法を検討しなければなりません。
 

2. 実家を相続して第三者に貸す

相続した実家に相続人の誰も住みたがらない場合には、賃貸物件として第三者に貸し出すのも選択肢の一つです。
実家を相続した人が賃貸収入を得られるメリットがありますが、実家の劣化状況によっては数百万円のリフォーム費用がかかってしまう可能性があるので、注意しましょう。
 
また、共有名義で実家を相続して賃貸として貸し出すことは可能ですが、権利関係が複雑になりやすいため、あまりおすすめできません。
 

3. 実家を更地にして活用する

建物があまりにも劣化してそのままの状態では危険だったり、他人が実家に住まれるのは嫌だと感じたりする場合は、建物を解体して更地にしたうえで貸し出す選択も可能です。
更地の状態であれば、土地の活用方法の選択肢が格段に広がるため、借り手も見つかりやすくなります。
 
ただ、立地や土地の広さ、形状によってはせっかく更地にしても活用しにくい可能性があります。
 
4. 相続放棄する
実家の建物や土地に資産価値がない場合で、活用する予定もない場合は、相続するとかえって面倒に感じることもあります。
そのような場合には、相続放棄も検討しましょう。
 
ただし、資産価値のない実家だけを相続放棄することは認められていません。
相続放棄をするならば、実家だけでなく預貯金、借金などすべての相続財産の権利を放棄する必要があります。
 
例えば、実家やその他の遺産以上に借金があるケースは、相続放棄を検討すると良いでしょう。
 
以上のように、実家を相続した際の選択肢は相続する以外にも活用方法はいろいろあります。
ただし、相続放棄以外の選択肢は名義変更の手続きが必要です。
最後の章で名義変更の手続きについて詳しく見ていきます。
 

□名義変更にかかる税金をご紹介!

 
名義変更にかかる税金は以下の3つです。
 
•不動産取得税
•登録免許税
•贈与税
 
不動産取得税は、言葉の通り不動産を取得した人に対して1回だけかかる税金です。
その割合は不動産価格の3パーセント、または4パーセントです。
名義変更を完了してから2か月から6か月後に、都道府県から納税通知書が送られてきます。
 
登録免許税は、法務局で不動産の名義変更手続きをする際にかかる税金です。
両親から実家を贈与された場合は、不動産価格の2パーセントです。
ちなみに、登録免許税は贈与する人または贈与される人のどちらが払っても良いとされています。
 
贈与税は、贈与された財産の金額に応じて、贈与される人にかかる税金です。
1年間の間に受けた贈与について、税務署に申告し納税する必要があります。
 

□実家の名義変更の方法の流れをご紹介します

 
ここでは、実家を生前贈与して名義変更する際の流れや必要書類を解説していきます。
 
まず、実家の相続税評価額を算出します。
相続税評価額とは、相続税や贈与税を算出する際に使用される土地や建物の評価額のことです。
相続税評価額を自力で算出するのが難しいのであれば、専門家に依頼するのがおすすめです。
 
2番目に贈与税を計算します。
土地と建物の相続税評価額が求められたら、贈与税を計算します。
 
3番目に生前贈与に必要な書類を収集します。
生前贈与は主に以下の書類が必要です。
 
•登記識別情報通知
•印鑑証明書
•住民票
•固定資産評価証明書
•贈与契約書
 
贈与契約書を作成する前に、それ以外の書類をあらかじめ準備しておくと楽に進められるでしょう。
 
4番目に贈与契約書を作成します。
生前贈与は贈与側と受け取る側の合意があれば成立しますが、後のトラブル発生を未然に防ぐために贈与契約書を作成しておくのが良いでしょう。
 
5番目に所有権移転登記の申請を行います。
生前贈与によって所有者が変更された実家の所有権移転登記を行います。
所有権移転登記は、実家の住所地を管轄する法務局で行います。
必要書類のほかに登録免許税も必要なので忘れずにしましょう。
 
6番目に贈与税の申告・納税を行います。
贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日の間に贈与税の申告と納税を行います。
贈与税の申告や納税は、贈与を受けた方が行うことを忘れないようにしてください。
贈与を受けた人の住宅地を管轄する税務署に、贈与税申告書や必要書類などを提出します。
 

□まとめ

 
生前贈与の名義変更手続きは手間が比較的かかるため、事前に把握しておくことがスムーズに作業を進めるカギになります。
また、名義変更には、「不動産取得税」「登録免許税」「贈与税」がかかります。
贈与税に関しては税務署に出向いて納税するものなので、申告し忘れがないように気をつけましょう。

監修者情報

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アーバンネットワーク株式会社
松本 幸治

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