空き家は自然発火する?空き家を放置するリスクを解説します!

みなさんは空き家は出火しやすいということをご存じでしょうか。
この記事では空き家が出火する原因とそれによって問われる責任を解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

□空き家が出火する原因とは?

結論から申し上げますと、空き家が出火する原因の多くは「放火」関連のものです。
実際、平成25年に消防庁が調査したデータによると、その前年の総出火数は約40000件で、そのうち12パーセントが放火、19パーセントが放火の疑いによるものであったとわかっています。

ではどのような家が放火されやすいのでしょうか。
実は空き家に限らず放火されやすい家の特徴というものがあります。
それは以下のような特徴です。

・部屋の明かりがついておらず、人の気配が感じられない
・ブロック塀の高さが低く、道路から敷地内を下見しやすい
・ドアや窓が施錠されていない
・家の周囲に新聞や木材など、燃えやすいものが多い
・近隣の家と距離が離れている

このようなケースに当てはまる住まいは空き家から狙われやすく、放火のターゲットになりやすいです。

ここまで放火に関して解説してきましたが、実は空き家では自然発火による出火も多いです。
自然発火の可能性として、コンセントプラグのトラッキング現象が挙げられます。
トラッキング現象とは、コンセントとプラグの隙間にホコリが溜まり、そのホコリが空気中の湿気を吸収することによって、漏電し発火する現象のことです。

24時間換気システムを導入している住まいや、防犯用のオートライトを設置している住まいでこの現象が発生する恐れがありますので、注意してくださいね。
特に空き家を相続したケースでは、その家の設備や器具を把握していないことが多いです。
そのため、このような事故を引き起こし得るものがないかどうかを早い段階から確認することをおすすめします。

 

□空き家で火災が起こったら責任が問われる?

ここまでで空き家が出火するのは、放火によるものが多いことがわかっていただけたと思います。
では仮に空き家で火災が発生したらどのような責任が問われるのでしょうか。

火災の責任について規定した失火責任法によると、重過失以外は基本的に所有者責任が問われません。
その一方で、失火者に重大な過失があった場合には損害賠償責任を負うと規定されています。

要するに、犯罪者によって行われた放火によって火災が発生した場合には責任を追及される可能性は低いですが、自然発火の場合には重大な過失の有無によって責任が変わるということですね。
ただ、これはあくまでも法的責任という観点からのもので、道義的な責任は問われるでしょう。

つまり、管理が行き届いていなかったが故に火災を防止できなかった場合、迷惑をかけた近隣の方へお詫びの出費や社会的信用のダメージを負う可能性が高いということです。

 

□出火以外に空き家を放置するリスクとは?

空き家を放置していると火災が発生することがあることを知っていただけましたか。
しかし、空き家を放置するリスクは他にもあります。
そこでここでは空き家を放置することによるリスクをご紹介します。

 

*老朽化や自然災害による建物の倒壊

建物の老朽化や台風などの自然災害によって、建物の一部が吹き飛ばされたり、倒壊したりする危険性があります。
それによって人的被害が生じたり、周囲の建物に対する損害を与えたりする可能性があります。

空き家にした初期の段階では耐久性に問題はないかもしれませんが、時間が経つと耐久性が低下し、倒壊につながってしまうということですね。

 

*不審者の侵入や犯罪に利用される

施錠されていない状態の空き家に不審者が住み着いたり、不良などの溜まり場になってしまったりすると、犯罪者がそこで犯罪を行うなどといったリスクが生じてしまいます。
また、それによってその地域の治安が悪化するという問題を引き起こす恐れもあります。

 

*ゴミの不法投棄

空き家は管理が行き届いていないことが多いので、そこに不要になったゴミなどが不法投棄されることがあります。
ゴミの不法投棄による悪臭や害虫などが発生し、衛生環境が次第に悪化していく可能性があります。
悪臭は近隣の方へ迷惑をかけてしまう恐れもありますので注意してください。

 

*景観や衛生面が損なわれる

空き家を放置することによって、建物自体が朽廃し、幽霊屋敷化が進行します。
それによって地域の景観が損なわれ、当該地域自体の治安の悪化を引き起こしたり、衛生面を含めた地域環境の悪化を招いたりする危険性があります。

このような事象によって、地域の治安の悪化や現実的な被害やトラブルが発生する可能性があるため、空き家問題に適切に対応できるよう、「空き家等対策特別措置法」が制定されました。

 

□まとめ

今回は空き家が出火する原因とそれによって問われる責任、空き家を放置する危険性について解説しました。
空き家の放置がさまざまなトラブルに繋がることを理解していただけたでしょうか。
空き家になりそうな場合は適切な対応をして、できるだけ避けるようにしてくださいね。

監修者情報

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アーバンネットワーク株式会社
松本 幸治

代表挨拶